凍解安定性/塗膜形成要素/塗料/中塗り塗料
塗料用語において、”a)塗料及びその組成、構成、製造、性質”に分類されている用語のうち、『凍解安定性』、『塗膜形成要素』、『塗料』、『中塗り塗料』のJIS規格における定義その他について。
塗料・塗膜・顔料・溶剤などの種類や性質、塗装の塗り方、素地調整、乾燥方法など、塗料工業において用いられる主な用語として、塗料用語(JIS K 5500)において、”a)塗料及びその組成、構成、製造、性質”に分類されている塗料用語には、以下の、『凍解安定性』、『塗膜形成要素』、『塗料』、『中塗り塗料』などの用語が定義されています。
塗料用語(JIS K 5500)
⇒【 a)塗料及びその組成、構成、製造、性質 】
分類: 塗料用語 > a)塗料及びその組成、構成、製造、性質
番号: 1078
用語: 凍解安定性
定義:
水性塗料が凍結・融解を繰り返しても、常温に戻せば元の性能・状態に戻る性質。
対応英語(参考):
freeze-thaw stability
分類: 塗料用語 > a)塗料及びその組成、構成、製造、性質
番号: 1079
用語: 塗膜形成要素
定義:
塗膜を形成するための主成分。
例:
油性塗料の乾性油(※1)、ニトロセルロース塗料のニトロセルロース、セラック二スのセラックなど。
対応英語(参考):
film former,
film forming material
分類: 塗料用語 > a)塗料及びその組成、構成、製造、性質
番号: 1080
用語: 塗料
定義:
素地に塗装したとき、保護的、装飾的、又は特殊性能をもった膜を形成する液状、ペースト状、又は粉末状の製品。
流動状態で物体の表面に広げると薄い膜となり、連続してその面を覆うもの。
塗料を用いて、物体の表面に広げる操作を塗るといい、固体の膜ができる過程を乾燥といい、固体の被膜を塗膜という。
流動状態とは、液状、融解状、空気懸濁体などの状態を含むものである。
顔料を含む塗料の総称をペイントということがある。
備考1.
ISO 用語規格では、”coating material”をここに定義される塗料として、また、”coat”を塗膜として定義している。
BS 用語規格も同様に”coating material”を塗料、”coat”を塗膜とするほか、”coating”を塗装として定義している。
しかし、ASTM では、”coating”をここに定義する内容の塗料としており、また、一般には、”coating”を塗料の意味で用いる場合が多いので、対応英語は、”coating material”だけでなく、”coating”を併記した。
対応英語(参考):
coating material,
coating
分類: 塗料用語 > a)塗料及びその組成、構成、製造、性質
番号: 1081
用語: 中塗り塗料
定義:
塗料を塗り重ねて塗装仕上げをするときの、中塗りに用いる塗料。
下塗り塗膜と上塗り塗膜との中間にあって、両者に対する付着性をもち、塗装系の耐久性を向上させる目的に用いるもの、下塗り塗面の平滑さの不足を補うために用いるものなどがある。
後者では、塗膜が厚くて研磨しやすいことが特徴である。
備考1.
ISO 用語規格では、”intermediate coat”と”undercoat”とは同義で、”地肌塗り(priming coat)と上塗り(finishing coat)の間のコート(coat)”をいう。
備考2.
BS 用語規格及びCEDでは、”undercoat”は、上塗り塗料を塗る前に、目止め、肌直し、地肌塗りなどを行った素地面、又は素地調整を行った旧塗膜面に塗装される塗料をいう。
対応英語(参考):
intermidiate coat,
undercoat
(※1)
乾性油とは、薄膜にし空気中に置くと、酸素を吸収して酸化し、これに伴って重合が起こって固化し、塗膜を形成する脂肪油のことです。
一般に、よう素価130以上のものをいい、あまに油(あまに種子から得られる液状植物油で、リノレン酸を主成分とし、乾性油の代表的な油脂)、シナきり油などがあります。
なお、液状の脂肪油で、空気中で乾燥せず、一般によう素価100以下の脂肪油のことを、不乾性油といいます。
不乾性油には、ひまし油、つばき油、なたね油、オリーブ油などがあります。
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