にじみ/塗り残し/粘着性/はがれ/白亜化
塗料用語において、”b)塗膜及びその性質”に分類されている用語のうち、『にじみ』、『塗り残し』、『粘着性』、『はがれ』、『白亜化』のJIS規格における定義その他について。
塗料・塗膜・顔料・溶剤などの種類や性質、塗装の塗り方、素地調整、乾燥方法など、塗料工業において用いられる主な用語として、塗料用語(JIS K 5500)において、”b)塗膜及びその性質”に分類されている塗料用語には、以下の、『にじみ』、『塗り残し』、『粘着性』、『はがれ』、『白亜化』などの用語が定義されています。
塗料用語(JIS K 5500)
⇒【 b)塗膜及びその性質 】
分類: 塗料用語 > b)塗膜及びその性質
番号: 1578
用語: にじみ
定義:
塗膜の下から着色物質が拡散して汚れや変色を起こす現象。
この欠陥を引き起こす物質の例は、歴青質系塗料、木材防腐剤、節からの油性樹脂、有機顔料及びステインなどがある。
対応英語(参考):
bleeding
分類: 塗料用語 > b)塗膜及びその性質
番号: 1579
用語: 塗り残し
定義:
ある大きさで全く塗れていない被塗面ができる状態。
対応英語(参考):
holidays,
misses,
vacations
分類: 塗料用語 > b)塗膜及びその性質
番号: 1580
用語: 粘着性
定義:
塗膜表面のねばつき。
対応英語(参考):
tackiness,
stickiness
分類: 塗料用語 > b)塗膜及びその性質
番号: 1581
用語: はがれ
定義:
付着性が失われてある広さの膜が自然に素地から分離する現象。
一般に、割れ、膨れが生じた後に、付着性が失われた結果、塗装系の1層又はそれ以上の塗膜が下層塗膜から、又は塗装系全体が素地からはがれる。
はがれは、その形状、程度及び深さによって評価する。
JIS K 5600-8-5(※1) 参照。
備考:
”peeling”はリボン又はシート上のおおきなはがれ、”flaking”はりん片状の小さなはがれ、”scaling”はスケール状の大きなはがれをいうこともある。
なお、”scaling”ははがれの他にさび落としの意味にも用いられる。
対応英語(参考):
peeling,
flaking,
scaling
分類: 塗料用語 > b)塗膜及びその性質
番号: 1582
用語: 白亜化
定義:
膜の成分の一つ又はそれ以上が劣化して膜の表面に微粉がゆるく付着したような外観になる現象。
白亜化の程度を調べるには、指先、フェルト、ビロードなどで塗膜の表面をかるくこすって、粉末状のものが表面から離れて指先などに付着する程度を見るか、湿らせて表面を粘着性にした写真印画紙を一定の荷重で塗面に圧着したときの、塗面から離れて粘着した粉状物質による印画紙の面の汚れの濃さを比較して見るか、又は指定の粘着テープを塗面において、指で強くこすり、付着した粉状物質の量を標準写真と比較して調べる。
白亜化の程度を白亜化度という。
JIS K 5600-8-6 参照。(※2)
対応英語(参考):
chalking
(※1)
JIS K 5600-8-5 は、以下のJIS規格になります。
JIS K 5600-8-5
塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−第5節:はがれの等級
(※2)
JIS K 5600-8-6 は、以下のJIS規格になります。
JIS K 5600-8-6
塗料一般試験方法−第8部:塗膜劣化の評価−第6節:白亜化の等級