耐熱,ウレタン,樹脂,断熱,船底,水性など塗装塗料の種類,ペイント,塗膜,プライマー,乾燥方法等

 

硬化/硬化乾燥



塗料用語において、”h)塗料の乾燥及び乾燥用の機器”に分類されている用語のうち、『硬化』、『硬化乾燥』のJIS規格における定義その他について。

塗料・塗膜・顔料・溶剤などの種類や性質、塗装の塗り方、素地調整、乾燥方法など、塗料工業において用いられる主な用語として、塗料用語(JIS K 5500)において、”h)塗料の乾燥及び乾燥用の機器”に分類されている塗料用語には、以下の、『硬化』、『硬化乾燥』などの用語が定義されています。

塗料用語(JIS K 5500)
⇒【 h)塗料の乾燥及び乾燥用の機器 】


分類: 塗料用語 > h)塗料の乾燥及び乾燥用の機器

番号: 3205

用語: 硬化

定義:
塗料を、熱又は化学的手段で縮合・重合させる工程。
求める性能の塗料が得られる。

対応英語(参考):
curing


分類: 塗料用語 > h)塗料の乾燥及び乾燥用の機器

番号: 3206

用語: 硬化乾燥

定義:
塗料の乾燥状態の一つ。
a)
試験片の中央を親指と人差し指とで強く挟んでみて、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面を指先で急速に繰り返しこすってみて、すり跡が付かない状態(dry-hard)になることをいう。
JIS K 5600-1-1 参照。
b)
JISでは、塗膜の表面は乾燥しているが、塗膜の大部分は、まだ軟らかいといった状態ではなく、塗膜の厚さ全体を通じて乾燥している状態(through dry)をいう。
規定の試験機を用いて、水平に置いた塗料又は関連製品の一回塗り又は多層塗り塗料系の塗面に、規定のガーゼを置き、その上に規定された荷重を規定時間かけてから、90度のねじれを与えたとき、塗膜の表面にガーゼの跡が残らず、塗膜に損傷が認められない場合、その乾燥状態を硬化乾燥状態(through dry state)にあるという。
JIS K 5600-3-3 参照。
備考1.
ASTM では、水平に置いた試験片の塗面に親指を置いて、垂直に伸ばした腕の力を最大にして押し付け、同時に90度回転させたとき、塗膜にゆるみ、はがれ、しわ
(※1)、その他のねじれの徴候が認められない乾燥状態を dry-through にあるという。
備考2.
このほかに、塗膜を研磨したり(dry-to-sand)、上塗りをしても異常が起こらない(dry-to-repeat)、塗った物体の塗面に触れて持ち運びや包装ができる状態(dry-to-handle)などがある。

対応英語(参考):
dry-hard,
hard dry,
dry-through,
dry through,
through dry


(※1)
塗装・塗料用語における”しわ”とは、乾燥中に塗膜に発生するしわのことで、通常は上乾きが著しいときに、表面の面積が大きくなってできるものです。
しわには、平行線状、不規則線状、ちりめんじわ状などがあります。